東御市職員ノ トビラvol.2 〜文化振興係編〜
みなさま、こんにちは。
謎に包まれた市役所の世界へようこそ。
職員紹介に特化したストーリーテラーのTです。
こちらは「東御市職員ノ トビラ」というテーマで各係のトビラを開いて、そこで働く人たちを紹介していくnoteになります。
前回の第1弾は、インフラ整備の守護神、土木係の「トビラ」を開いてみました。
トビラを開くと、そこには、市民のインフラを守るべく誠実に働く魅力あふれる職員がいました。
さて、第2弾の今回は文化振興係の「トビラ」を開いてみましょう。
文化振興係は文化財の保存や文化振興を行う学芸員という専門職が配属される係でもあります。昨年大きな反響を呼んだ刀剣展に尽力した学芸員のふたりにお話を伺いました。
実は同期のふたり。同期として学芸員同士として、そして上司と部下という関係を通して多くのことを語っていただきました。
日向係長(以下、「日」という):文化・スポーツ振興課文化振興係の日向です。
小暮主査(以下、「小」という):同じく文化振興係の小暮です。よろしくお願いします。
Q1:普段、どのようなお仕事をされていますか。
日:昨年度までは美術館の学芸員でしたが、文化と名の付く全ての業務のマネジメントをしています。
小:次年度の刀剣展の準備と海野宿の保存、活用事業も行っております。
Q2:昨年、大きな反響を生んだ刀剣展に携わった感想を教えてください。
日:刀剣展の開催にあたり「市民向け」という視点を持っていたので、入館料や切り口にこだわり、特に地域の若い世代を意識して企画しました。
「東御市の文化行政において、今までなぜ、刀剣に触れないのか」という自分の疑問から企画した展覧会でした。結果的に成功して、なかなか日々の業務では味わえない充実感や達成感があります。刀剣振興に火をつけたくて、市役所内部から動き始めましたが、思いが上司に伝わり、そして地域、県外に広がっていったのを目の当たりにできたのは、良い経験でした。またジャパニーズコンテンツの強さを体感しました。ゲームやアニメは強いなと(笑)。
小:学芸員の仕事は9割が地味な作業で、華やかな部分は残りの1割。予算の管理から作品借用交渉、周遊バスの添乗まで、仕事の幅広さにめげそうになりましたが、お客様の満足が何よりも大切なので喜んでもらえていたら嬉しいです。地域のお店も協力してくださって、刀剣コラボメニューを出してくれたのは嬉しかったです。
Q3:学芸員という資格を持っていても、別の部署で働いていたお二人ですが、学芸員としてのモチベーションはどのように維持されていましたか。
日:大学は美術系でしたが、前所属の建設課にいたときは、美術のことはあまり考えていませんでした。市役所に入庁する前は屋外広告や都市景観の仕事をしていました。入庁後も景観を意識していたので、景観に関する学会で研究発表もしていました。建設課時代は、道路管理事業を担当しながら、景観やまちづくりの視点からも建設行政を見ることを意識していました。
違う視点を持つのは大事だと思っており、それがやりたい仕事とは違う業務を担当していたとしてもモチベーションの維持に繋がるのかなと思います。県に出向したときは色々な市町村の職員とも交流し、都市計画の部署での業務の傍ら、都市景観のフォーラムを松本市の担当者と企画し実施しました。
小:別部署にいるときは、当時からこの部署にいた日向係長が宮入法廣刀匠のお宅で行う刀剣勉強会に誘ってくれたのがモチベーションとなりました。他には、興味のある展覧会を博物館や美術館に行ったり、地域の歴史を知ろうと市内の史跡巡りなどをしていました。
Q4:行政の学芸員になるメリットを教えてください。
日:まちづくりの視点を持ちながら展覧会を企画し、他の部署との連携が可能というのはメリットだと思います。刀剣は観光やシティプロモーションの部門との連携を行いました。また、専門性も高く、基本ボトムアップで事業を企画するので、ある程度やりたいことができる環境にあると思います。
小:いつ学芸員として配属されるか分からないので、学芸員業務に携わることができたとき「やりたい仕事ができる!」と、モチベーションが上がります。また、他の業務経験をとおして、より市民を意識して、展覧会を企画することができると思っています。
Q5:東御市の文化財の価値、ポテンシャルを教えてください。
日:東御市全体で考えたとき、千曲川近くには古い町並みの海野宿があり、サンラインまで登れば、その上は海外のようなヴィンヤードが広がっています。力士の雷電や刀剣の源清麿の生誕の地という歴史もありつつ、美味しいワインもあるという贅沢な場所だと思います。文化財一つ一つのポテンシャルというよりは食や風土と絡めることで、魅力的なコンテンツになると思います。
小:文化財を大切にしてきた人、現在も保存している人たちを大切にすれば、もっと文化財の可能性が広がると思っています。
Q6:来年度の事業、展望について、教えてください。
日:東御の歴史にスポットを当てたいと思っています。雷電の脇差や海野宿の槍等を展示していきたいです。また古墳時代の貴重な文化財についても触れていきたいと思います。そして、次世代を担う子どもたちに実施している絵画を観て対話する力を育成していく対話鑑賞にも力をいれていきたいです。
小:今年も海野宿の修理活用事業と刀剣事業をやっていきます。
Q7:お互いの学芸員の印象を教えてください。
日:小暮さんは文化芸術が好きだという熱量がある学芸員です。担力があるので、もっと学芸員としてこだわりを持って、表現して行って欲しいですね。1回、展覧会を企画して欲しいです。
小:係長は交渉力、説明力、企画力、そして周囲の協力を得る力があり、勉強になります。人に協力を得るのと興味を持ってもらう力がすごいと思います。
Q8:働く上で大切にしていることはありますか。
日:自分はマネジメント側なので、エゴは出さないようにしています。部下でもある学芸員に口を出したくなりますが、気を付けています(笑)。
小:明るく朗らかにいることです(笑)。
ストーリーテラーのTです。
いかがでしたでしょうか。
今回、文化振興係の「トビラ」を開いたら、東御市にある文化を愛し、価値ある文化を次世代に繋いでいくために奮闘する“心豊かな”職員がいました。
次回は、市民の代表である議員を支える議会事務局のトビラを開けたいと思います。
お楽しみに!