美味しい巨峰が美味しいワインになるまで ~ワイン醸造レポート~
こんにちは。ワイン&ビアミュージアムのコンシェルジュOです。
昨年の秋、ワイン用葡萄の収穫に参加された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、収穫体験に参加された方も実際どのようにワインになっていくのか実際に見たことがある方は少ないのでは?
今回は東御の特産の巨峰が微発泡ワインになるまでをご紹介しようと思います!
収穫
今回取材させていただいた生産者さんのこだわりは「ナイトハーヴェスト」!
直訳すると「夜摘み」という意味で、その言葉のとおり、日の出前にブドウを収穫する収穫方法です。
蓄えられた糖度や栄養が最高の状態である夜明け前に収穫をすることで、高い糖度や栄養を保ったブドウを収穫することが出来るのです。
しんと静まり返った深夜3時から車のヘッドライトを頼りに収穫が始まります。
この日は40個のカゴがいっぱいになりました!
除梗(じょこう)
ブドウの粒を茎(果梗)の部分から外す作業を除梗(じょこう)と言いますが、今回は一部だけ梗からはずし、ほぼ全房のままタンクに投入します。
ボジョレーヌーボーの醸造にも使われているブドウをなるべく傷付けず、充満する二酸化炭素と一緒にタンクの中に置いて発酵させる「マセラシオン・カルボニック」という工程期間をしばらく取ります。
こうすることで、フレッシュな香りと、渋みが少ないのに濃い色合いを兼ね備えたワインになるんだそうです。
マセラシオン(醸し)
2週間後、タンクの蓋を開けます。良い香りです~!!
ここから除梗作業をし、今度はマセラシオン。マセラシオンとは醸し(かもし)のことを指します。 醸しというと難しいですね…。
要するに液体に個体を漬けこんでおくことです。
圧搾(プレス)
マセラシオンから数日後、発酵が進みプレスのタイミングになりました。
今回はバルーンプレスというプレス機を使います。これは中に風船が入っていて、その風船が膨らみ圧力をつかってブドウが搾れるものです。
しっかりとプレスされたブドウは最後にはこのような状態。
こうして得た果汁を瓶詰めします。
この果汁にはまだ少し甘みがあり、この残っている糖を酵母が食べて発酵が始まります。
今回は、ブドウについている酵母がそのまま使われています。
こうして発酵によりできた泡が瓶内に閉じ込められ発泡したお酒となります。
デゴルジュマン(澱引き)
瓶詰め後、瓶を逆さに放置して1か月。澱がたまった瓶口をマイナス70度の溶液に浸し瓶口に集められた澱(おり)を冷やします。
澱とは、ブドウの成分であるタンニンやポリフェノール、たんぱく質が結合したもの。
結晶化しているので、そのまま飲んでしまうと舌ざわりがよくなかったり、美しいワインの色を損ねてしまうので、取り除くのが一般的です。
この状態でボトルの瓶口を下にして持ち、瓶内の気圧によって吹き出るワインができるだけ少なくなるよう、ボトルを上に向けつつすばやく栓を開け、澱を外に弾き出します。
吹き出した分を補充して打栓をしたら、ラベルを貼って、リリースを待つのみです!!
いかがでしたか?
このようにボジョレーと同じ製法を採用することで通常よりも短時間でワインを醸造することができます。
秋に収穫された巨峰が12月にはワインとなって発売されており、まさに東御のヌーボー(新酒)と言えますね。
それぞれのつくり手さんの思い描いたフレッシュなヌーボーは市内のワインショップをはじめ、私がコンシェルジュをしているワイン&ビアミュージアムでも発売しています。ぜひご賞味ください!