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東御市6次産業化発見 VOL.4

今回ご紹介するのは農家民宿「maison d'hotes(メゾンドット) 農の家」です。

「農家民宿」とは、自家栽培した農産物や地域の食材を用いた料理を、宿泊者に提供するもので、これも6次産業化の形態の一つとしてとらえられています。

自分の力で新たな挑戦

標高800mの緩やかな南斜面。先人達が生活してきた古い家並みが多く点在し、山や畑、田んぼに囲まれた素朴な田園風景が残っている東御市和地区の集落に、江戸時代に建てられた古民家を改築した農家民宿「メゾンドット農の家」があります。

宿を経営する松井宏樹(まついひろき)さんは東京で大手製造メーカーに勤務していました。転機となったのは40歳になった時。「人生は一度しかない、色んな事に挑戦して自分の力を試してみたい」との想いが強く芽生えたことです。奥様もペンション経営にとても興味を持っておられたそうで、大賛成してくださいました。

01+代表の松井さん

そうと決まれば沖縄から長野まで物件を探し、長野県茅野市にある車山高原でペンションを購入します。購入した物件は昭和の終わりにあったペンションブームの時に建設されたもので、光熱費が莫大にかかり、維持をするのが大変なものでした。また、ペンションが標高1,600mの場所にあったため、「食材を自分たちで作ってみたい」という希望はあったものの、ほとんど不可能であったことも悩みでした。

楽しみながら目指した自然との共存

松井さんは「自然と共存し、気候に合った暮らしが出来る民宿」を目指し、より良い「衣」「食」「住」を求め続けていましたが、その中で最もやりたかったことは食材の自給でした。

長野県近郊で古民家と畑の二つが同時に手に入る場所を探し、2009年に現在の場所を探し当てます。車山高原でペンション経営を続けながら2年間東御市に通い、古民家の改装に精を出しました。

02+外観

そしてついに、10年間続けたペンションを売却し、「メゾンドット農の家」をオープン。改築はその後も2年ほど続き、休む暇がなかったそうですが「楽しくて仕方がなかった」と当時を思い出しながら笑顔で話してくださいました。

自然を基調とした食事と建物

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宿での食事は自前のナチュラルガーデンで採れたものを使用。足りない食材も可能な限り地元産を使用して、里山フレンチ料理を提供しています。パンの材料である小麦やライ麦も自家栽培するというこだわり様。バラエティーに富んだ料理を提供する為に、少量多品種の作物を栽培しています。畑は無農薬で化学肥料も使わず、耕起もあまりしません。出来るだけ自然の状態で土壌の環境に配慮した、土を大切にする畑仕事を行っています。

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建物は昔ながらの真壁構造を活かし、合成素材はあまり使わず、土や無垢木材、漆喰などの素材を多く使用。夏でも室内は涼しく、なんとエアコンはありません。

農の家への想いとこれからの夢

宿泊プランは『1泊2食付』か『1泊朝食付』の2プラン。お客様がそれぞれの感じ方でゆったりと過ごして頂くことが理想だそうです。また、将来田舎に移住したい、古民家を購入したい、宿泊業を始めたいという希望を持つお客様もたまにいらっしゃるとのことです。

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今後は、「さらに自分たちの自由になる時間を増やしたい」とおっしゃる松井さん。今楽しんでいる畑作業、庭作り、建物いじり、自転車・自動車整備のほか、スキーやスノーボード、登山、サイクリングなどにも時間を費やしたいそうです。
「夢は本気で遊ぶことが何より好きな老人になること」と楽しそうに語ってくださいました。

【基本情報】
事業者名:maison d'hotes 農の家
住所:東御市和5058番地
代表者:松井宏樹
電話:070-8947-0921
ホームページ:https://maison-noka.info
メールアドレス:info@maison-noka.info
事業内容:野菜、小麦、果物等の栽培、古民家を利用した宿泊業
6次産業化の形態:農家民宿