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東御市6次産業化発見 VOL.12

今回ご紹介するのは、東御市で新規就農し、ぶどうの栽培・加工品の製造をしている「東御こもだ果樹園」です。

直感的に魅力を感じて、即移住!

代表の菰田 央(こもだ ひさし)さんは東京都出身。
かつては、都内でフリーランスのネットワークエンジニアとして働いていました。

東御市に移住するきっかけとなった出来事は、当時住んでいた東京都八王子市の友人の知り合いの方が東御市でワイナリーを建設中ということを聞き、お手伝いを兼ねて東御市へ遊びに行ったことです。

湯の丸高原へ向かう新張(みはり)地区の道(通称:トラック街道)から、烏帽子岳から湯ノ丸山、浅間山までのその雄大な風景を見上げたとき、何故か懐かしい想いを感じると同時に、直感的に「あっ、明日からここに住もう!」と決意したとのことでした。

思い立ったら行動が早い菰田さん。
初めて東御市を訪れた翌週には東御市内にアパートを借り、東京との二拠点生活をはじめました。
本業であった東京でのエンジニア業務を完全に手放すには1年半かかりましたが、その後、拠点を完全に東御に移しました。

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移住当初は上田市や東御市内企業のコンピュータシステム開発やメンテナンス業務に携わり、並行してワイナリー立ち上げのお手伝いをしていました。
その後、ワイン用と生食用の両方のぶどうを栽培していた「小川ぶどう園」で仕事をすることとなりました。

巨峰の美味しさを表す言葉が見当たらない

「この美味しさを表す言葉は見当たらないぐらい、別格な味。自分も広く世間にこの味を伝え、みんなに感動を与えたい!」と思ったのは、小川ぶどう園の巨峰を食べた時でした。
そして直感的に「ぶどうは生で食べるのが一番だ」と感じたそうです。
そこから、新規就農の道を目指すこととなりました。

小川ぶどう園での3年間の就業経験と、信州うえだファーム(※1)での1年間の研修を終え、2015年、合計約8反(約8a)5箇所の畑を借り受け、独立しました。

(※1)信州うえだファーム…JA信州うえだの子会社として設立。
JA自らが農業経営を行うという地域の担い手の役割を果たしながら、地域における農業振興や地域活性化を目指している。

新規就農者の育成事業も行っており、研修中は社員として雇用し、賃金等を支給するとともに、研修圃場ののれん分けや、農地の賃借のあっせんなどをしている。

独立後の屋号は『東御こもだ果樹園』としました。
『東御』と入れたのは、東御市産のぶどうの美味しさを全国の人に知ってもらい、ブランド化したいという想いからだそうです。

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自然環境に逆らわないぶどうづくり

菰田さんのぶどう栽培のこだわりは、東御市の恵まれた自然環境に逆らわず、土地が持つ力を引き出し、自然の恵みをぶどうに伝えること。
そのため、圃場にいる微生物の力で土を作るという工夫をしています。

また、東御こもだ果樹園は県の認証制度「信州の環境にやさしい農産物認証制度」に認証されています。
この制度は一般的な栽培方法と比較して、化学肥料・化学合成農薬を50%以上減らして作られた農産物を認証するもので、ぶどう栽培では数件しか認定されていません。
化学肥料等を減らすことで、地球温暖化防止や生物多様性保護につながるため「環境にやさしい農業」といわれています。

2020年には、農林水産省が主催する「フード・アクション・ニッポンアワード(※2)2020」において「皮ごと食べる三色ぶどうギフトセット」が特別賞に入賞するなど、菰田さんのぶどうは高い評価を受けています。

(※2)国産農林水産物の消費拡大に寄与する事業者等の産品を広く募集し、優れた産品を発掘・表彰するイベント。大手百貨店・流通・外食・宿泊サービス等の各業界のトップ企業10社が審査員。

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奥様との出会い

就農3年目を迎えた2018年、愛知県から農業体験として聴覚障がいをもつ女性(現在の妻の亜紀子さん)を2日間受け入れることになりました。
筆談をしながらの作業でしたが、亜希子さんはぶどう栽培に情熱があって、積極的で、音を上げず、ひたむきに取り組みながらも繊細さを併せ持つ方ということがわかりました。

農業体験が終わり、亜紀子さんが愛知県に帰ってしばらくしてからのこと。
「ぶどう栽培に本気で携わりたい」というメールが届き、何度かやり取りをしました。
まだ人を雇う余裕はありませんでしたが、情熱に負け、翌年雇用することになりました。
菰田さん自身も、友人にお願いして手話の勉強をすぐに始めました。

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亜紀子さんが来てからというもの、生産性がどんどん上がり、とても頼もしく思えました。
休日も一緒に過ごすなど、ずいぶん二人の仲も知れてきたなかで、一緒に暮らした方がいいのではないかと思い始めていたそうです。
お互いが何気にそんなサインを出し合っている時に、菰田さんは意を決して告白をしたのです。亜希子さんを雇用してから1年後のことだったそうです。


結婚式をあげた諏訪大社上社本宮には、毎年収穫したぶどうを奉納しているとのこと。
菰田さんは「事業が軌道に乗ったら、妻の為に自宅を新築したい」と照れながら語りました。

加工品をつくって、販路開拓

東御こもだ果樹園では、自慢の巨峰をつかった無添加・無加藤のジュースを製造するほか、ドライフルーツの加工も行っています。
市の補助金を活用して導入した2台のドライマシン(乾燥機)を使い、様々な品種のぶどうをまるごと1房ドライフルーツにする取り組みを始めました。

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「来年には本格的な商品化を目指し、販路開拓を行って売上げを伸ばしたい」という思いを胸に、菰田さんの挑戦は続きます。

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【基本情報】
事業者名:東御こもだ果樹園
住所:東御市祢津2872-1
電話:080-6600-0770
代表:菰田 央
メール:komoda@kyoho.jp
ホームページ:http://kyoho.jp
ネットショップ:https://www.queenrouge.jp
フェイスブック:https://www.facebook.com/tomikomoda/
インスタグラム:https://www.instagram.com/kyoho.jp/
事業内容:ぶどう栽培、農産加工品の販売
6次産業化の形態:農産加工

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