東御市6次産業化発見 VOL.7
今回ご紹介するのは「ストリーム・ファーム」です。
ミニトマトに出会うまで
湯の丸高原の裾野に広がる新張(みはり)地域で、ミニトマトを栽培しているストリームファーム。代表の小林正彦(こばやしまさひこ)さんは御年74歳。千曲川より南に位置する御牧原台地や八重原台地を遠くに眺めながら、17棟あるハウス内で毎日作業をされています。
最初は農業関係の会社に勤めており、アメリカへの農業視察に随行するなど活躍されていました。しかし、人生に想うところがあり、38歳のときに退職。
その後、カーネーションの栽培をスタートさせます。これは会社員時代に営業職として様々な農家を訪問していたなかで、カーネーションにとても魅力を感じていたことが要因だそうです。
しかし栽培を始めてみたものの、価格の乱高下の激しさに直面します。1本70~80円で売れる時もあれば、1本1円という信じられないような価格になる時もあったのだとか…それでも何とか大型のハウス16棟を使い、10年間栽培を続けたのでした。
ミニトマトとのご縁と工夫を重ねた土づくり
再度、転機が訪れたのは48歳の時。地元スーパーの社長さんの勧めで、比較的価格が安定しており、当時需要が伸び始めていたミニトマトの栽培を並行して始めました。
カーネーションを栽培していた部分の50坪程度をミニトマト用の畑に切り替えて栽培を始めましたが、ミニトマトの栽培もそう簡単ではなく…関係者からは「まずい、まずい」と言われ続けてしまったそうです。
そこで、土壌に広葉樹の炭や米ぬか、納豆菌を入れるなど、様々な事を試したところ、だんだんミニトマトの味が良くなっていったとのこと。その結果、少しずつ販売も伸び、10年後にはハウス全棟でミニトマトだけを栽培して経営が成り立つ、今の形になりました。
そして、ちょうどミニトマトの栽培をし始めた頃、東御市に道の駅「雷電くるみの里」がオープンし、そこでミニトマトの販売を開始。さらにミニトマト作りを勧めてくださった地元スーパーにも陳列していただくことができました。
しっかりとした販売先があったことが、経営の継続につながったそうです。
きっかけは「もったいない」という思い
ミニトマトを栽培するにあたり、ネックがありました。それは、どうしてもヒビ割れなどの規格外のものが出てしまうこと。処分するには『もったいない』との思いから、ミニトマトを使ったジュースを造ることを決意。添加物など何も入れずに100%のジュースを造り続けています。
特にミニトマトが一番美味しい時期(7月下旬~9月上旬、糖度は12~13度)のミニトマトで搾ったジュースは、やはり甘味や酸味のバランスがよく、トマト好きの方なら違いが判るそうです。
全国展開している大手スーパーや百貨店からも引き合いが来ていますが、年間生産量が7,000~8,000本(180ml換算)なので、相手先が求める供給量にははるかに届かないそうで、かと言って近隣の道の駅や物産館などで販売するには、逆に量が多すぎる…というのが悩みの種だそうです。
そんな中でも、ストリーム・ファームのトマトジュースを求めて、道の駅雷電くるみの里へ足を運んで下さるお客様は絶えません。
成功を呼んだ探求心
「80歳までは健康で、元気に仕事と釣りができたらいい」と語る小林さん。
学生の頃から釣りが好きで、日本海や太平洋など、全国各地どこへでも釣りに出かけるそうですが、道中、管理の行き届いたハウスを見かけると立ち寄り、全く面識がないにも関わらず、そこで働いている方に声をかけ、土作りなどを中心に色々と聞いて回るのだとか。
毎年ミニトマトを作っているものの、未だに連作障害(※1)になったことが無いそうで、全国各地の様々な農法を学び、研究を重ねた結果が現在の土壌、そしてミニトマトの味に繋がっています。
(※1)連作障害…特定の作物を同じ場所で長年栽培していると、生育が悪くなったり、枯れてしまったりする現象。
小林さんのエネルギーが詰まったミニトマトジュース、トマト特有の青臭さがなく、とても飲みやすいそうです。是非お試しください。
【基本情報】
事業者名:ストリーム・ファーム
住所:東御市新張89番地
代表者:小林正彦
電話:0268‐62‐1670
事業内容:ミニトマト栽培、ミニトマトジュース販売
6次産業化の形態:農産加工
【ストリーム・ファームのミニトマトジュース販売・取扱店(東御市近郊)】
道の駅 雷電くるみの里(東御市)/ 石森良三商店(上田市)/ 中棚温泉(小諸市)
【オンラインショップ等】
・東御市公式オンラインショップ https://www.rakuten.ne.jp/gold/toumi/
東御市ふるさと納税の返礼品としても選ばれています!!
https://www.furusato-tax.jp/product/detail/20219/5058022