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プロローグ「19」

 翻ってみると私の人生において、「19」という数字は、忘れられないエピソードとつながり、嫌でも記憶に残る数字となっている。
 そして19は素数でもある。素数であるがゆえに不思議な結びつきとエピソードが巻き起こるように思う。

 思春期にはじめて購入したCDアルバム。
もう引退した伝説の歌姫の初期のアルバム。代表曲の題名には19という数字が入っていた。素晴らしい曲で何度リピートしたか分からない。いちばん旬な19歳の時、サッカー部の彼に恋をした。19歳という大人ぶらずに子どもの武器も使えるタイミングで彼に告白をした。結果はご想像にお任せする。

 また、ある時期は19という数字が名付けられたバンドが好きになった。あの紙ヒコーキは無事、飛んで行ったのかしら?
 それからしばらくして、バンドメンバーに似ている人を好きになった。教室の後ろの席から彼の背中を見つめる日々が続いた。恋が成就したかどうかはご想像にお任せする。

 さて、私の母の誕生日は12月19日。ある年の母の誕生日。家族全員、すっかり 忘れてしまったのだ。母の誕生日を。
「今日、私の誕生日なんだけれど」といつもと変わり映えしない夕飯を用意した後で、放った一言により、食卓が一瞬で凍り付いた。雪は降っていなかったけれど震えるほど寒かった。この後、どうなったかはご想像にお任せする。

 さらに時は経ち、この4月に現在の部署に着任した私。
身長180センチ超(目視190センチ)の上司から衝撃的な告白を受けた。
「東御市の認知度は、長野県内19市中19位。圧倒的に最下位です。認知度向上を目指して頑張りましょう。」と湿り気のないカラリとした言い方に、その日、雨が降っていることも忘れかけた。

 そして、「マラソンで言えば、だいぶ先に行っている18位を頑張って追いかけている状況です。」とサラリと言ってのけたのだ。

 「マラソンも駅伝も一人抜かすのにどれだけ大変か知っていますか?というか、 アドバンテージ無かったんですね。」とうろたえる私。
 そして繋がる「19」という数字。甘酸っぱく、ほろ苦い思い出の「19」。
こうなったら、この事実を物語にしよう!と思い立ち、少し滞っていたnoteを再開することにした。19位からもらったバドンをどこまで18位に近づけ、そして18位になれるのか、ここから私たちの物語が始まるのだ。
 
 いつだって、物語は面白いほうがいい。

 19位からのスタート。せめて第一歩は、大きくジャンプしよう!

                            中の人 8子

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